私たちが外科と聞いて、まず思い浮かべるのは、捻挫、打撲、切り傷などの、けがの治療です。駅の階段を踏み外して足首を捻挫(ねんざ)したり、スポーツ中に骨折や打撲をして、救急外来に駆け込んだ経験をもつ人も珍しくはないでしょう。
このような外傷治療のほか、肩こり、腰痛、関節痛など、痛みやしびれ自覚症状があったときにも、外科が選択されます。診察しても診断がつかない場合にはX線検査が行われます。骨の変形や配列に異常はないか、関節に石灰沈着はないか、骨破壊などがないかを調べ、必要ならば、MRI検査やCT検査でさらに詳細な検査を行うことになります。
骨折はギプスや、必要があれば手術で治療します。骨折が治り骨がついた後に、関節が動かなくなったり、骨が曲がっていたり、最悪の場合骨がつかないこともあります。子供では、折れた骨が曲がったままで成長したりしないように、大人では、早く仕事が出来るように、老人では、寝たきりにならないように、治療することが必要です。
原因がどこにあるか診断することが大切です。肩こりの場合には、くび(頚椎)か肩に、腰痛の場合には、主に腰に原因があります。レントゲン等で、骨の状態を検査します。時には、癌の転移による痛みもあります。このように、しっかりした診断のもとに、治療することが大切です。首や腰に原因がある神経痛では、手足の筋肉がやせて、力が弱くなることがあり、手術をしなければならないこともあります。
まず痛みの原因を確かめなければなりません。それによって、治療も異なってきますが、原因としては、年をとったり、その上、体重がふえて関節が変形することによる関節痛が、最も多くみられます(変形性関節症)。まわりの筋肉の力を強めたり、体重を減らすことで症状は軽くなります。しかし、病状が進行すると、手術しなければ治らない場合もあります。
背中の骨にできもの(腫瘍)ができて痛くなることがあります。良性と悪性のものがあります。また高齢者では骨がもろくなって(骨粗鬆症)痛むことがあります。骨粗鬆症の場合、散歩やゲートボールなどの運動を根気よく続けることによって、骨を強くするとともに、つまずいて倒れないように訓練することが重要です。